My Family Temple

叔母の家はお寺がないそうなので、 うちの檀那寺を紹介して、 お寺に挨拶にいく。

もう葬儀屋が来て詳細を伝えていたらしく、 場所はわかっているので時間が来たら勝手にいきますからとかいわれる。 その他いろいろお話をしてくれて、 35 日・49 日の法要のよい日とかも教えてくれる。 それでも夏休みがちょうど終わったあたりで、 子供たちは運動会とかもあるんじゃないかな。 最初 35 日のお経も葬式の日にやってもらえるか聞いたら、 そういうお経の上げ方は、 やり方がわからないしどうもしっくりこないからできないといわれた。

お墓の心配もしてくれて、 なかなか決めかねることもおありでしたら、 お骨をお寺でお預かりしますよといってくれる。 本堂の後ろの小部屋を見せてくれたが、 たくさんのお骨と位牌がしまってあった。 古い写真もあったり、 幼い子へのお供えがあったりもした。 いつでもお参りに来てくださいだそうだ。

それと、お葬式のやり方とか親戚のおばさんなんかにあちこち聞くと、 それぞれ違ってたりして、 いざ来てみると教えたことと違うなんていって、 気まずい思いをすることがあるから気をつけてくださいと。 そういうときは、 お寺に聞いたらそうしろといわれたといえばみんな納得するから、 そのときはどうぞお寺のせいにしてくださいだとか。 なるほどそういう手があるのか。

お布施の額なんかも聞いてみたけど、 それぞれのうちで事情があるでしょうからお気持ちで結構ですと。 もらったらお寺に帰るまでわかりませんし (この地方では葬儀の直前にお布施を渡す)、 お寺に着いたら帳面に付けるだけですよ、 もしかしたら 100 年のお付き合いになるかもしれませんし、 だそうだ。

うちの両親のときは、

近所の長老からここいらではこれだけ出さなきゃだめだといわれたけれど、

さすがにそんなには出せないとその半分よりちょっと多めにした

(一般の相場をググってみたが、それよりも少なかった。 長老にいわれた額はその相場より高い)。 それでもお経の長さがかわるわけでもなし、 戒名が短くなるでなし、 その後の法事でも対応はかわらない。 もっとも千年以上続いているお寺で、 江戸時代の藩主の家の位牌なんかも安置されているくらいだから、 金には困っていないのだろう。 知る人ぞ知る2代目藩主が建立した法宝蔵からは、 床下から慶長小判が 30 枚出てきたそうだし。

ちなみにその 2 代目藩主が観賞した枝垂れ桜の子孫の木というのが境内にあるが、 この謂れはどうもすごいんだかなんだかわからないけど。 それはそれとして樹齢は 160 年だそうで、 さすがに枝をつっかえ棒で支えているが、 枝振りが 12m くらいある。 毎年花が咲く頃には、 屋台が出たりして花見客で盛況になる。 去年観に行ったときは、 老人ホームの二十人くらいの団体がバスで来ていて、 ヘルパーさんが車いすを押してつれてきて、 敷いたビニールシートで寝転びながら観賞していた。

それに最近お寺の隣に、 といってもちょっと離れた小高い丘の上に、

総合病院が移ってきたが、

これもそのお寺の土地を貸しているのだそうだ。 とは言ってもさすがに墓地をつぶしたわけではなく、 もとは森だったはず。 それで周りはみんな檀家だったから、 工事の際には苦情が一つもでなくて、 逆に、 工事の人へスイカの差し入れなんかがあったりして、 現場監督がこんな工事は初めてだと驚いていたそうな。
あと、 6 階の端の廊下から市内の花火大会の花火がよく見えると教えてくれたが、 入院するなら花火の季節ということかねえ。

以前は、 けっこうその手の業者から、 墓地にしませんか、 檀家さんが増えますよ、 という話があったそうだ。 でも、 お墓にしちゃったらそれで終わりで先がないから断ったとかいっていた。 まあ、ひとつの見識だね。 後でお墓をつぶしてなんか作っても、 みなさん、 元はお墓だったのかと思ったら、 あまりいい気持ちはしないでしょうしとか。 そりゃあまあそうだ。

しかしどのお寺もそうかといえば、 伯母曰く、一、二年前、 連れ合いが亡くなったときは、

そこの檀那寺からこれだけと額をいわれたそうだ

(この地方ではご近所の組の人が、お寺にお布施の額を交渉、というか聞きに行く)。 でもお経を上げに家にきたら、 知らぬ間に新築になっているのを見て、 もっと取ればよかったみたいな顔をされたそうだ。 本当かね(笑)。