Bon no Iri


胡瓜の馬に茄子の牛

盆の入りなので、 祭壇を作って真菰の御座を敷いて馬と牛を飾った。 胡瓜と茄子は妹が自分の畑で作ったものを持ってきてくれたものだ。 今年はあまり天候がよくなかったので、 茄子が十分に育たなかったようだ。

墓にも行って軽く掃除をし、 花を飾り墓石に水をかけ、 線香をあげた。 線香が無駄に乾燥していたせいか、 なぜか火がなかなか消えなくて往生した。

そういえば何年か前にテレビで細木数子が、 墓石に水をかけるのは、 ご先祖の頭に水をかけるようなもので、 罰当たりなことだからやってはいけない、 とかいうのを聴いたことがある。

しかしその同じ年の法要で檀那寺の住職が、 そんなことは全くない、 ご先祖の背中を流してあげるようなものだから、 功徳になるのでどうぞたっぷりかけてあげてください、 といっていた。

果たしてどちらが正しいのかねえ。 自分も子供の頃からかけるものだと思っていた。 父母がそうやっていたからだ。 当時は墓地に水道がなくて、 一升瓶に水をつめて持っていった記憶がある。 「水飲まっしょ」といって直接一升瓶からかけていた。 それに、若いときに読んだ冠婚葬祭の本でも、 水をかけて、 たまには布かなんかで苔を落とすために洗ってあげるようにと書かれていたような気がする。 なんか苔が生えたりひびが入ったりするのは、 墓相学的にいってよくないという話も聞いたことがある。 墓相って何だよって気がしないでもないが、 手相とか人相みたいに墓相ってのがあるらしい。 何にでも縁起は担ぐものだねえ。

夕方になって提灯を持ち、ご先祖様を迎えに行く。 家に帰って庭先で迎え火を焚くが、今度は藁が湿気っているのか、なかなか火がつかなかった。