iDVD でチャプターを連続再生できるようにしてみる<<iMovieを使うのだ

iDVD で数分のムービーを配置して作ったプロジェクトでは、 すべてのチャプタを連続して再生することができなかった。

どうやら iMovie を使って連続したムービーを作成し、 各ムービーの先頭にチャプタマーカーを打って iDVD に読み込ませればいいらしい。

注意: iMovie のバージョンによっては、 チャプタマーカーを打てないものがあるそうだ。 これが古いバージョンだとだめで新しいバージョンなら OK という訳でもなく、 デグレートされているバージョンがあるらしいのだ (iMovie HD 6 なら OK で iMovie ’08 はだめとか)。

iMovie '09 (バージョン 8.0.5) は大丈夫。

ムービークリップを配置する

そこで iMovie を起動し、 イベントライブラリに一気通貫のムービーにしたいムービーファイルを全部読み込む。 読み込むとムービーのファイル名が表示されなくなってしまうので、 配置したい順番に気をつけて読み込んだ方がよさそう。 それでもわからなくなったらクリップを選択して Finder に表示させれば何とかなるけど。

読み込んだムービークリップを、 順番にプロジェクトブラウザにドロップしていく。 このとき、 イベントブラウザの右下にあるクリップ・サイズ・スライダを調節して右端に持っていくと、 クリップがひとつだけのサムネールになるので全体を見渡せる。 クリップ全体をそのままプロジェクトにドロップするならこっちの方が便利だ。

画面サイズを調整する

さて、 プロジェクトを再生してビューアで確認すると、 プロジェクトを 「ワイド画面 (16:9)」で作ったため、 4:3 の画面のムービークリップが真ん中あたりで切り取られて (クロップされて) いる。

これはちょっと嫌だが、 プロジェクトを 「標準 (4:3)」 に変更するのもちょっと嫌。 今やもう、 再生する画面はワイド画面に決め打ちしてもいいよなあ。

もっとも今時、 素材を撮るカメラがワイド画面に対応していないのが情けないのだが。

ということで、 クリップをすべて選択してから、 ツールバーの 「切り取り」 ボタンをクリックして、 ビューアを切り取りモードにする。 ビューアの左上の 「全体表示」 ボタンをクリックすると、 4:3 のクリップの全体が表示され、 左右に黒い帯が表示されるようになった。 でもまあ、 全体的に暗い画面が続くのであまり目立たない。 気にしないことにする。

チャプタにタイトルを付ける

ついでなので各ムービークリップの先頭に字幕でタイトルを付けてみることにする。

タイトルブラウザを表示(⌘3)して、 「下」 のサムネールを、 プロジェクトブラウザの字幕を表示したいムービークリップのサムネールの上にドロップする (なおクリップとクリップの間にドロップすると、 独立したタイトルのムービークリップになる。) ビューアがタイトルを編集する状態になるのでテキストを入力し、 フォントパネルを表示して好みのフォントと位置揃えに設定する。

フォントパネル

ただ初期状態の iMovie フォントパネルだと日本語のフォントしか表示されない。 アルファベットのタイトルにしたかったので、 システム・フォント・パネルを表示してすべてのフォントコレクションから Futura ミディアムを選択した。

しかしこれではタイトルをたくさん入力するときに不便。 今回は 17 クリップある。 そこで「iMovie>環境設定>フォント」で iMovie フォントパネルの一覧を編集するして、 頻繁に使うフォントを設定しておくことにした。

iMovie フォントパネルだと、 システム・フォント・パネルと違って、 マウスポインタをフォント名や色やサイズの上にのせると、 そのフォント等がビューアにプレビューされるので便利だ。

タイトルが表示される長さを調整する

さてタイトルは、 初期状態ではクリップ全体に字幕が表示されるようになっているので、 タイトルタブをダブルクリックしてインスペクタを表示し、 継続時間にタイトルを表示したい秒数を入力する。 するとタイトルタブが表示する秒数に応じたサイズにあわせて横幅が短くなる。

プロジェクトブラウザの右下にあるクリップ・サイズ・スライダを左に寄せて、 クリップのサムネールをたくさん表示すると、 それにあわせてタイトルタブの幅も継続時間に応じて長くなる。

例えばスライダを 2 秒にあわせるとサムネールはひとつにつき 2 秒を表すので、 タイトルの継続時間が 4 秒の場合、 タイトルタブは二つのサムネール分の幅になる。

なお、 タブの左右の端にマウスポインタをあわせると、 ドラッグして調節することもできる。

また、 タイトルオブジェクトは、 ひとつのクリップに複数設定することもできるようだ。

チャプタマーカーを打つ

プロジェクトの各ムービークリップの先頭 (もしくはクリップとクリップの間) にマウスポインタをあわせてコンテキストメニューを表示し、 チャプタマーカーを追加を選択する。

このときクリップの先頭にタイトルが設定されていると、 自動的にそのタイトルのテキストがチャプタ名になる。 それと 「iMovie>環境設定>一般>高度なツールを表示」 をチェックしておくと、 プロジェクトブラウザの右上の三角アイコンをクリックしてポップアップメニューを表示し、 チャプタ名を選択して任意のチャプタを表示することができる。

チャプタマーカーの位置の微調整

チャプタマーカーはムービークリップの任意の位置に打つことができるので、 マーカーの位置が微妙にずれるようなこともある。 その場合は 「詳細編集」 で微調整することができる。 (もっとも、 プロジェクトブラウザのクリップ・サイズ・スライダでサムネールのサイズを調整しても同様のことができるが。)

詳細編集を開くには、 マウスポインタをクリップの上にのせてギア (歯車) のアイコンをクリックし、 アクションポップアップメニューから「詳細編集」を選択する。 またはクリップとクリップの間をダブルクリックする。

詳細編集の右上に並んでいるアイコンのうち左端の 「エクストラ(タイトル、VoiceOverなど)を表示します/隠します」 をクリックしてチャプタマーカーを表示する。

あとはチャプタマーカータブをドラッグして微調整すればよい。

出来上がった iMovie プロジェクトを iDVD に読み込ませる

ムービーが完成したので、 「共有>iDVD」 を選択してプロジェクトを iDVD に転送する。 1:32:25 のムービーで 1 時間ちょっとかかった。

書き出した iDVD プロジェクトの編集については、 iMovie で書き出した iDVD プロジェクトを編集する に続く。

iMovie で書き出した iDVD プロジェクトを編集する

iDVD でチャプターを連続再生できるようにしてみる<<iMovieを使うのだ の続き

iDVD '09 バージョン 7.0.4 が起動されると、 コンテンツの容量が大きすぎるという警告が出た。 プロジェクト情報を表示して容量を見ると 92 分 5.06 G になっている。 DVD のタイプは 「1 層 (SL) - 4.2 GB」 なので明らかに容量オーバー。 本当なら 「2 層 (DL) - 7.7 GB」 を選択すればよいのだが、 iDVD '09 が対応している DVD+R (DL) のメディアは今手持ちがないので仕方がない。

そこでエンコーディングを 「処理能力を優先する」 から 「高品質」 に変更した。 すると、 容量が 2.92 GB になった。

ただ品質を指す白い矢印が、 微妙に緑色から外れて黄色に近くなっている。 緑色の方が高品質にあたるので、 エンコーディングを 「最高品質」 にしてみたらより緑色側によってきた。 そこでこちらを採用した。 ただし容量は 2.92 GB のままだった。

メモ: なお iDVD '09 はちょっと不安定なようなので、 プロジェクト情報を表示する前に一応保存しておいたほうがいい。

どうも iMovie から iDVD を起動する際にはプロジェクトが保存されていないようで、 最初いろいろプロジェクトを編集していたら強制終了されてしまった。 そして再起動したら編集した内容どころか、 iMovie が作成したはずのムービーボタンの情報までなくなっていた。 どうやら iDVD でプロジェクトを新規作成した時の状態になったようだ。

iDVD で作業する時はこまめに保存した方がよい。

iDVD プロジェクトを編集する

さて、 iMovie から起動された状態だと、 メイン画面が表示される時のイントロムービーが動かないし、 オーディオも鳴らない。 それに各チャプタ画面のムービーボタンのサムネールも静止画のままだ。

これは各画面でメニュー情報のインスペクタを表示して、 「繰り返しの継続時間」のスライダを適切な秒数に設定すればよい。

メモ: インスペクタウィンドウを表示したまま、 別のボタン等のオブジェクトを選択すると、 一見選択したオブジェクトの情報が表示されて便利なように思う。 でも、 時々触っていないにもかかわらず、 値が変更されてしまうような気がする。 もしかすると何らかの条件があるのかもしれないが、 今のところ追求していない。 いつかしよう。

なのでインスペクタウィンドウは、 いちいち閉じてから別のオブジェクトを選択した方がよいと思う。

各ムービーボタンの再生開始位置は、 それぞれのチャプタの開始時間が自動的に設定されている。

メモ: なお、 各メニュー画面の繰り返しの継続時間の最大値は、 一度設定してから別の画面に移動して戻ってくると、 なぜか繰り返しの継続時間の最大値が前回設定した秒数になってしまう。

と思ってもう一度画面を行ったり来たりしてみると、 また以前の最大値になっていたりとなんとなく動作が怪しいところがあるようだ。

また、 iMovie が指定したテーマ 「レボリューション」 ではない別のテーマを選択してみる。 すると、 これにはイントロムービーも設定されているし、 オーディオも鳴るようになっている。

そこでまたレボリューションテーマを再度選択すると、 今度はイントロムービーも設定されているし、 オーディオも鳴るようになっていたりする。

ただしどちらの場合もチャプター画面には、 ドロップゾーンにムービーが設定されていない。 なので、 コンテキストメニューから「コンテンツを入力」を選択しないといけない。

そしてこの場合、 各メニュー画面の繰り返しの継続時間は 30 秒に設定されている。 と思ってメニュー情報インスペクタを表示してみたら、 今度は 8 分 47 秒になっていた。 いつの間に?

メニューのムービーが長いと、 その分ディスクの容量を消費しかねないので、 メイン画面を 5 分、 チャプタ画面を 30 秒に設定した。

この状態でプロジェクト情報を見ると、 メニューが 361 MB、 ムービーが 2996 MB、 合計 98 分 3.27 GB になっていた。

プレビュー、そして DVD を作成

最後に画面右下の丸に右三角印のプレビューボタンをクリックして、 コントローラで DVD をブラウズできるか確認する。

後は画面右下の丸いシャッターのディスク作成ボタンをクリックし、 表示されるダイアログボックスに従っていけば OK。

しかしさすがにエンコーディングが 「最高品質」。 作成予想時間が 4 時間半近くになっている。

さて、 ディスク作成が終わったところでプロジェクトを閉じて iDVD を終了し、 もう一度同じプロジェクトを開いてプロジェクト情報を表示してみたところ、 なんとメニュー 361 MB、 ムービー 3940 MB、 合計 98 分 4.16 GB になっていた。

品質の矢印も完全に黄色の帯をさしている。

実際にエンコードしてみると、 最初の予測より約 1 GB 多くなったということか。

これはまあ容量が足りないため、 圧縮したせいだろう。 仕方がないと言えば仕方がない。